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森の中には「知らなかった」がいっぱい!白金原生林フォレストウォーク

風にそよぐ木々の音、鳥たちのさえずりは癒しのひととき。

 

大雪山国立公園の森を爽やかな風を感じながら歩いてみませんか?
今回は「森の中には『知らなかった』がいっぱい!白金原生林フォレストウォーク」に参加してきました!
知っているようで知らなかった森の不思議をネイチャーガイドが解き明かしてくれます。
(写真は2019年7月中旬に撮影)

 

◆大自然の魅力を感じる

森歩きのスタート地点は小松原保護林。入り口ではオオウバユリのお花がお出迎えしてくれました。
なんと、このオオウバユリは花を咲かせるまで6~8年程かかるそう。
1回の開花で種を残して枯れてしまう、なんとも儚いドラマチックな花です。(写真は7月中旬に撮影)
この森は、十勝岳の噴火による被害を受けつつも自然に再生した原生林で、エゾマツ、トドマツの針葉樹を中心に、ダケカンバ、ナナカマド、ミズナラ、ドロノキなどの広葉樹が入り混じっている中に、泥流、火砕流の影響の跡を見ることができます。
よく見ると苔の生えた丸太に小さなマツの赤ちゃんが生えています。
エゾマツやトドマツは寿命を終えたり、強風で倒れた木を苗床として、新たな世代の木が育つ「倒木更新」という形をとっています。
親木から土に落ちた種の多くは、十分な日光を受けられなかったりして、うまく成長することが出来ません。
うまく成長できるのは運よく倒木に落ちた種だけ。しかし、その中でも大木になるまでには100年以上もかかり、
それまで生き残れるのは森の競争を勝ち抜いた選ばれし、強運の持ち主だけです。
「倒木更新」で大きくなった木は根っこが地上に出ている「根上がり」になっています。
土台になっていた木はやがて土に還ります。空洞が出来ている部分はかつて、土台となる倒木があった証拠です。
またよく見ると一直線に木が並んでいるところがあります。それは倒木があったラインに木が成長したからなのです。
森の中を歩いていると珍しい植物に出会います。
真っ白でまるでキノコのように生えている植物は「銀竜草(ギンリョウソウ)」です。
透き通るような感じから「幽霊茸(ユウレイタケ)」とも言われています。

「燕万年青(ツバメオモト)」の実。この実が美しい瑠璃色に変わります。
「山荷葉(サンカヨウ)」の実。見た目はまるでブルーベリー!春には白い花を咲かせます。
今年生えたばかりの新緑は色が明るく、柔らかいんです。ぜひ触ってみてください。天然の森の香りがしますよ。

コケも柔らかく、ふわふわですよ。

 

◆森の動物たちの存在

これは何の跡だと思います?実はこれはクマが木登りしたときにできた爪跡なんです!!大きな手で登ったのが想像できますね!!
木に大きな長い穴が開いています。これはクマゲラが一所懸命開けた穴なんです!
クマゲラは全身黒色で頭に赤い帽子をかぶったような見た目のキツツキの仲間で、国の天然記念物です。
この大きく開けた穴から、木の中に住むアリを食べます。

通称、森のエビフライ!本当はエゾマツの実なのですが、下の実はエゾリスに食べられて細くなっています。ガイドさんが可愛いエゾリスの写真を見せながら、その特性を話してくれました。
一部エリアに沢山のエビフライが落ちています。ここはきっとエゾリスのお気に入りのグルメスポットですね!

 


「森の中には『知らなかった』がいっぱい!白金原生林フォレストウォーク」は開催期間も長く、
参加する季節により、見られる植物も変わります。
春先では、残雪がある森の中をスノーシューを履いて歩きます。
初夏は新緑が生き生きと輝き、秋には紅葉といった、四季折々の森を楽しむことが出来ます。
暑い夏は、雨の日は涼しく緑が輝きますので、雨の日の散策がお勧めです。

ネイチャーガイドと歩く森の中は、新しい発見でいっぱいです。
日本で一番大きな大雪山国立公園の天然林で、
五感を使って全身で大自然を感じながら、森の不思議を探しにいきませんか?