秋
美瑛の豊かな豆
日本の食卓を彩る豆たち。
みなさんは豆にどんな種類があるか知っていますか?
大豆、小豆、エンドウ豆、インゲン豆・・・
豆は人類学上で非常に重要で、豆類が人類を育てたと言っても過言ではないほど、豆は古くから栽培され、消費され続けています。
真っ青な青空と広大な豆畑
大豆の原産地は諸説ありますが、紀元前2800年頃から中国で栽培されていたと考えられており、同じ時期にヨーロッパでは青豆を食べていたそうです。
肉を手に入れることが難しかった時代、豆は人々の胃を満たしてくれる貴重なたんぱく源となっていました。
その種類はとても多く、世界のマメ科植物は18,000種もあり、そのうち食用になっている主なものは約70種といわれています。
豆腐、納豆、味噌、醤油など、豆を使った食材は様々です。
豆類は、良質のたんぱく質やエネルギー源となる炭水化物はもちろん、ビタミン類を多く含み、現代人に不足しがちなミネラルを豊富に含んでいます。また、注目されるポリフェノールや食物繊維も驚くほど豊富です。
ここ美瑛でも数種類の豆を年間約2,633トン(2020年)生産していて、日本の食卓に少なからず貢献しています。
そんな栄養たっぷりの美瑛の豆について、この記事ではご紹介いたします!
注意
この記事の写真は全て、農家さんの特別な許可を得て撮影しています。
畑は私有地であり、許可なく立ち入ることはできません。
また、靴底についた雑菌などから、農作物に病気が発生するおそれがあります。
畑には決して立ち入らないよう、ご理解とご協力をお願いします。
1美瑛ではどんな豆が栽培されているの?
美瑛の丘では土壌の養分を保ち、病気を防ぐために、毎年違った作物をローテーションして植える“輪作(りんさく)”を行っています。
ジャガイモ、小麦、ビートと共に、豆はこの輪作を担う重要な作物で、毎年景色が変わるパッチワークの丘を形成しています。
では美瑛ではどんな種類の豆が栽培されているのでしょうか?
種まきをしている様子
種まきから数日後・・・少しずつ豆の芽が土から葉を出す姿は、とても可愛らしく見えます。
これを見ると小学校の理科の授業で植物の栽培したことを思い出しますね!
発芽したばかりの豆はどれも同じように見えて、どの種類なのか、なかなか見分けがつきません。
しかし数日すると、違いが明確に表れてきます。
成長した豆たちの緑の綺麗なライン
成長した豆たちの葉がパッチワークの丘に綺麗なラインをつくっています。
美瑛の丘にも、食卓にも彩りを添える豆。
さっそく美瑛で栽培されている豆の種類をみてみましょう。
【大豆】
美瑛では様々な種類の大豆を育てています。
豆腐、味噌、醤油などに使われている「黄大豆」はもちろんのこと、「青大豆」も作られています。
また美瑛では「いわいくろ」という品種の「黒大豆」の栽培も盛んです。
「黒大豆」との色の対比で、「黄大豆」は「白大豆」と呼ばれることもあります。
「黒大豆」は一般に黒豆と呼ばれ、タンパク質はもちろん、ビタミン、ミネラルも豊富です。
黒い色素アントシアニンには抗酸化作用もありますよ。
お土産に美瑛黒豆ごはんや、黒豆麦茶、フリーズドライでおやつ感覚で食べれる商品もあるので、ぜひお越しの際はチェックしてみて下さいね!
この大きく、広く、葉が多くついた植物は大豆です!
【小豆】
次に紹介するのは、小豆です!
日本の小豆三大産地は「北海道」「京都の丹波」「岡山の備中」ですが、その生産量の90%以上は北海道が占めています。
ちなみに、北海道では「あずき」ではなく、「しょうず」と呼ぶことがあります。
特に生産者である農家さんは、“大きい豆”の「だいず」に対して、“小さい豆”の「しょうず」と呼ぶのが一般的なんです!
収穫まであと少し…乾燥させている最中の小豆の様子。
ここ美瑛では「しゅまり」、その他「エリモショウズ」、「キタノオトメ」、「サホロショウズ」、「きたろまん」など多様な品種の小豆を栽培しています。
中でも美瑛産「しゅまり」は町内の採種圃場で育成された豆種(たね)を使用し、町内の農家で作付け栽培され、美瑛町農協の施設で調整・保管しています。
種から製品の保管まで一貫して全て美瑛町内で行われているため、美瑛産「しゅまり」は「オール美瑛」と言えますね!
小豆は様々な用途に使用されますが、最も知られているのが餡子(あんこ)です。
最近では「しゅまり」の鮮やかな餡色を活かし、洋菓子やスイーツでの使用も多くなってきています。
【エンドウ豆】
こちらのピンクと紫のお花は、エンドウ豆のお花です。
一見素朴ながら、かわいらしい蝶のような形をしています。
エンドウの特徴であるクルクルと巻いたツタも、なんだか優雅な雰囲気です。
花言葉は『いつまでも続く楽しみ』『約束』などがあり、えんどう豆がつるを長く伸ばす様子から付けられたとされています。
エンドウ豆の利用法は多様で、エンドウ豆の新芽をつんで食べると「豆苗(とうみょう)」、未熟のサヤを食べると「絹さや」、「スナップエンドウ」、完熟前のやわらかい豆をむいて食べる「グリンピース」や「うすい豆」などがあります。
美瑛は乾燥豆として使用される「子実用えんどう」の栽培が盛んで、上川地方の中で最も「赤えんどう」の生産量が多くなっています。
赤えんどうは、古くから蜜豆(みつまめ)や豆大福(まめだいふく)に使われ、和菓子の落雁(らくがん)用としても重要です。
2豆の収穫は?
美瑛の秋が深まる9月~10月。
下の写真のように、まだ黄金色の畑がパッチワークの丘に残っていることに驚くかもしれません。
秋の丘の景色。あちこちに黄色い畑が見えます。
黄色い部分が色づいた小麦畑に見えますが、季節は秋。
小麦はとっくに収穫を終えて、刈り取られてしまっています。
では、この黄色い畑は一体なんでしょう?
黄葉している大豆畑
実はこちらの黄色い畑の正体は、豆畑なんです!
豆の葉っぱもこんなに綺麗に黄葉するんですね~
黄金色の畑の正体は、太陽の光で乾燥が進んだ収穫直前の豆なんですね!
この小豆は太陽に照らされて乾燥が始まっています。上のさやはまだ緑色ですが、中央は茶色になってきています。
機械で茎の下を刈り倒し、乾燥した後、脱穀(だっこく)と言って、サヤから豆を取り出す作業をします。
ここ美瑛では少し前まで、収穫された豆は「ニオ積み」という方法で天日干しにしていました。(豆で行う場合は「豆ニオ」)
収穫された豆を手作業で三角錐の形にして積み上げ、程よく乾燥したらさらに積み上げていきます。
ある程度積み上げたら、「豆ぽっち」と呼ばれるビニールシートをかぶせて乾燥させていきます。
しかしこの収穫方法は、最近では機械化が進んだこと、一つ一つ手作業で行う大変な重労働であることから、美瑛でも伝統的な「豆ニオ」を作る農家さんが非常に少なくなっています。
「豆ニオ」について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
あといつまで見られるかわからない貴重な豆ニオのある風景
最終的に収穫された豆たちは、機械に入れて重さを量り、さやなどのゴミを取り除きながら乾燥させます。
大きさごとに分けるなどの調整を行い、最後は人の目と手によって選別します。
検査され、選別された豆は袋に詰められて出荷されます。
味噌や豆腐、お醤油、餡子など様々な加工品としても消費され、各地に送られます。
3美瑛の豆を楽しもう!
ここからは美瑛産の豆を使った商品を紹介していきます!
ご紹介させて頂く商品は、美瑛町の厳選された特産品だけを集めたプレミアムブランド「ビエイティフル」でご購入頂けます。
ぜひ、ビエイティフルのウェブサイトでチェックしてみてください。
豆ごころ
「豆ごころ」とは、美瑛の農家の女性3人が開発に取り組んだ、美瑛産の6種類の豆(大豆、金時豆、虎豆、手亡豆、黒大豆、青大豆)を使った蒸し豆です!
無着色の天然の状態でも、こんなにカラフルな色合いなのはビックリです!
無添加の蒸し豆なので、味付けはお好みで。いろいろな料理に使えてとっても便利ですよ~
フリーズドライ食品
お手軽に美瑛産の豆を味わいたい方は、フリーズドライのお菓子はいかがでしょう?
黒豆と小豆はもちろん、焼きとうきび、とうきび、ダイスミルクなどもラインナップされています。
高品質な美瑛産の農作物、乳製品を素材の美味しさそのままに、フリーズドライにしています。
ほんのりとした甘みとサクサクの食感はきっとやみつきになるはずです。
美瑛のおみそ
材料は美瑛産の大豆「ユキホマレ」と、美瑛米の「ななつぼし」、そして沖縄の塩の3つのみ。
お味噌はもちろん無添加で作られています。
定番のお味噌と、黒味噌の2種類があり、お料理によって使い分けをすることができます。
びえい丘の香り
自家焙煎珈琲「北工房」で作られている、美瑛の丘で契約栽培された大豆とコーヒーの美瑛オリジナルブレンド。
大豆の香ばしさと風味豊かな優しい香りが広がります。
【お店のご紹介】
ご紹介した一部の商品は、美瑛選果や道の駅でもお買い求めいただけます。
美瑛にお越しの際は是非お立ち寄りください!
美瑛選果
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町大町2丁目
- TEL
- 0166-92-4400
- 営業時間
- 季節によって営業時間が異なります。詳しくは美瑛選果ホームページをご覧下さい。
- 定休日
- 選果市場・小麦工房:無休 / レストラン・選果工房:水曜日定休
道の駅びえい「丘のくら」
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町本町1丁目9-21
- TEL
- 0166-92-0920
- 営業時間
- 季節によって営業時間が異なります。詳しくは道の駅ホームページをご覧下さい。
- 定休日
- 年中無休(年末年始のみお休み12月31日~1月3日)
美瑛の豆は食べるだけではなく、アクセサリーとしても販売されています。
手作りのアクセサリーが販売されているのはla colline(ラ コリーヌ)です。
ここでしか買うことが出来ないオリジナル商品を多数取り揃えています!
la colline (ラ コリーヌ)
- 住所
- 北海道上川郡美瑛町中町1丁目4-8
- TEL
- 0166-74-3185
- 営業時間
- 毎週金・土・日・月曜日
10:00~17:00
※冬季(11月~4月)は11:00~16:00
- 定休日
- 季節ごとに代わる場合がございます。
事前にご確認ください。